heyheytower

日々のメモです。誰かのお役に立てれば幸いです。

『プロのための Linuxシステム構築・運用技術』を読んで


書名:『プロのための Linuxシステム構築・運用技術』
著者:中井 悦司

感想

この書籍で気に入った点は、構築・運用技術についてこういったことが必要、こういったことが可能であるという技術概説が書いてある点です。
細かい導入・運用方法は案件毎に違いますが、一般的に何ができるか、ということを知るのにとても良い書籍です。

私自身はハードウェア監視について調べていて、この書籍で道筋を知ることができたので、後は自分で細部を詰めるとして目的を達することができました。

P.10 デバイス・ドライバの提供モデル

独自にドライバーモジュールを追加する場合について『Ubuntu Server 実践バイブル』を読んで - heyheytower でも記載しましたが、その際の注意についてです。
こういった点は、個人利用の linux ではあまり気にしない点なので P.12 「Linux の導入作業」も合わせて、linux における売るためのシステム構築という意味で勉強になった。

P.46 ハードウェア監視ツール

下記の記載には頷くところが大で、RAID カードの稼働状況を調べるにもベンダ提供のツールが必要だったりと、そういった意味では IPMI は良い仕組みだなと思います。

P.43

linux はさまざまなハードウェアで利用できる汎用性の高いOSのため、逆に言うと障害情報を含めて、ここのハードウェアに固有の情報を確認するのは苦手としています。

ipmitool コマンドは、知っている方からすれば当たり前なのかもしれませんが、知らなかった私としてはここで知ることができて良かったです。

※自宅PCでは IPMI は使えなかったので、マザーボードはsensord*1、HDDは smartd*2 を用いて監視体制を作っております。
 こういった点にも意識が向いたという意味でも、この書籍は意義深かったです。

P.50 システム稼働情報の収集

sysstat の説明が1ページ。(この書籍では下記ツールの話は無いですので悪しからず。下記は私の体験談です。)
しかしながらこの種の情報収集からの、評価のための視覚化を含めて何を使ったらよいか悩ましいものがあります。
目的に沿ってというのが正解なのでしょうが、台数が少なくて何となくリソースが見れればよいのであれば自分は munin*3 の導入・監視が楽かなと思います。
もちろんパフォーマンスチェックや、数十台・数百台の監視という意味では、また別のツールが使われるかと思われます。

P.87 Linux のストレージ管理

SANストレージや、LVM、iSCSIについて。
SANは自分は必要が無い(資金も無い)ので使っておりませんが、夢見ながら読むことができました。
LVMはパフォーマンスを考えて、自分の環境では利用しておりません。

iSCSIクラスタファイルシステムOCFSと共に利用を試したこともありましたが、NFSより書込みがパフォーマンス低下した経緯があります。
(いつか再び挑戦し、解決したらその経緯をHPに記載いたします。)
iSCSI+クラスタファイルシステムOCFSでは、ネットワーク・ファイルシステム・複数台のサーバと問題を調査するのが大変で、売るためのシステムでこれを構築するにはとても敷居が高いだろうというのが自分の所感です。

P.218 表6.3 サーバの基本情報を確認する主なコマンド

基本的内容ではありますが、各プロセスが使用しているTCP/UDPポートを表示する " lsof -i " など2つ3つ自分の中で抜けているコマンドもあったりと勉強になりました。
一覧になっていることが重要ですね。

P.222 カーネルダンプの取得

カーネルパニックになった際はこのようなトラブルシューティングがあるのだと初めて知りました。
テスト環境での原因追求、あとはあまり考えたくないですが現地での原因調査の最終手段ですね。

seg(segmentation) fault などでは coredump Linux環境設定/コアダンプを出力するようにする - Linuxと過ごす ですね。


同著者による書籍


書名:プロのための Linuxシステム・ネットワーク管理技術 (Software Design plus) [大型本]
著者:中井 悦司

個人利用の linux ではあまり参考になる点は少なかったですが、ネットワークセキュリティに関するカーネルパラメータの設定は技術説明も分かりやすく参考になりました。
内容的には LPIC3 (LPI 300 Mixed Environment Exam) *4の内容ですね。



以上。