『バイオパンク〜DIY科学者たちのDNAハック!〜』を読んで
書名:『バイオパンク〜DIY科学者たちのDNAハック!〜』
著者:マーカス・ウォールセン
訳者:矢野真千子
各トピックについて
P.18 細胞培養によるワクチン作り
「Egg Beaters -Flu vaccine makers look beyond the chicken egg- 」Egg Beaters - Scientific Americanによると下記の利点がある。
P.36 DIYbio
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メーリングリストなどで情報集というと、過去であれば IRC などもありますが、見るための敷居が下がっていますね。
(かく言いましても IRC は有用ですが)
P.43 craigslist
日本では札幌・東京・仙台・大阪・広島・福岡で使えることがわかったので、実際に下記からアカウントを取得しました。
私は東京での利用なので、表示デフォルトをtokyoにすると捗りました。
http://tokyo.craigslist.jp
P.73 オープンソース・ツール(ハードウェア)
実際に探してみたところ、OpenPCR はMake: Japan | DNAもDIYの時代に:OpenPCR出荷開始、電気泳動槽はBlue Light Transilluminator for SYBR Safe Gels - $399 Pearl Biotechにありました。
ピペットは、安ければオープンソースなど関係なく1本1万から買えるので液量およそ 1ul、20ul、200ul、1000ul で最低4本ですが、当然消耗品のピペットの先端や、その他シャーレなど消耗品の類、純水の安定製造を考えたランニングコストの高さは考えないといけません。
遠心分離機は簡単に自作できそうですし、オートクレーブ、クリーンベンチも簡易なものを作製し、ガラス器具類も買えますし、機器・器具は揃うものだなと思います。
※本著ではコンタミネーション(細菌汚染)を防ぐのが難しいとありましたが、当然上記セットでは細心の注意が必要かと。
問題は試料で、本著内容にある台所用品やコンタクトレンズ用品など流用するにしても、危険物や制限酵素などは手に入らないのかなと思います。
生体試料の観察となると、観察対象(ヒーラ細胞、大腸菌、酵母、蛍光色素を結合させた蛋白質、など)の準備、顕微鏡システム、蛍光色素も必要になりますので、これらも安くあげられないポイントです。
細胞の保護・保存では、製氷機・フリーザー・液体窒素周りも必要ですね。
本著ではDIY環境が整ってきていると記載されてはいるものの、ハードルは高そうです。
※上記記載では、分子生物学・細胞生物学・生物物理学などを踏まえて、必要なものを乱暴にピックアップしています。
P.194 Promethease
SNPediaを利用した、Promethease のサンプルページPromethease report for http://genomealberta.ca/files/Personal_Genotype_Files/deCODEme_scan[1].csv, http://genomealberta.ca/files/Personal_Genotype_Files/23andMe_V3_genome_mikesgene_Full.zipはとてもすばらしい。
例えば自己免疫疾患の可能性があると判断されれば、対象遺伝子配列の SNPedia へのリンクが貼られそこから1次情報へのリンク一覧を見ることができる。左記の例では、一例にATG16L1 and IL23R are associated with inflammatory bowel diseases b... - PubMed - NCBIなどを見つけることができる。
P.210 iGEM
iGEM - Wikipediaを見ると、東京大学、大阪大学、東京工業大学などが参加しているようであった。
BioBricks Foundation | Biotechnology in the Public Interestの、こういったアーキテクチャを作るという発想が素晴らしい。
P.216 チェラプンジの橋
生きている橋。綺麗です。
http://www.inspiration-gallery.net/2012/01/12/bridges-made-from-roots-in-india-11/
以上。